SNS広告

はじめに

アルバイトの募集方法にはいろいろなやり方があります。

バイトルなどのアプリで求人を出す方法もあれば、Indeedなどの求人検索エンジンや、知り合いを紹介してもらって採用するリファラル採用などがあります。そしてその中で、「SNS求人」というものを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「SNS求人を1から知りたい!」「他社はどうやってSNS運用をしているの?」など、SNS求人について深く知りたい方のために書いています。ぜひ参考にしてみてください。

SNS広告とは?

まず、SNS広告というのは、InstagramやTwitter、Facebookなどのソーシャルネットワークシステム(SNS)を使って求人募集をする方法です。

この求人募集方法は、「ソーシャルリクルーティング」とも言われており、SNSを使う人口が増えてきているということもあって近年この手法を取り入れる企業は少しずつ増えてきています。

なぜ注目されている?メリット4つ

では、企業はなぜ今までの求人募集のやり方にとどまらず、SNSにも注目しているのでしょうか。

理由としては簡単であり、SNSの特性を利用した発信をすることで他の求人媒体にはないメリットが多く生まれるからです。

主に、SNS求人のメリットはこの4つです。

会社・お店のイメージ作りができる

まず、SNSでは文章や写真、動画を使ってどんな投稿も出来ます。お店の中の雰囲気を写真に撮って発信することも、働いている従業員を動画にとって発信することも出来ます。

また、もちろん求人募集のことも文章を添えて発信することができ、応募者はあらかじめこの会社はどういう人が働いていて、どういったお店であるかということが一目でわかります。

ミスマッチを防げる

続いて、1つ目と似ているのですが、SNSで企業側がお店についてのイメージ発信ができるとともに、SNSを使って応募者自身の発信情報を見ることも可能です。

今まで応募者がどのような発信をしてきたか、企業と応募者の相性はどうかなどを過去の投稿で調べることも容易であり、入社したときにギャップができるのを防ぐことができます。

低コスト(無料)で情報発信できる

次に、SNSを使うメリットは、無料で運営ができるという点です。有名な求人アプリや、検索エンジンに募集を掲載するときには、多少お金がかかることが普通なのですが、SNSでは何をするにも無料で使うことができます。

先ほど述べたように、求人の投稿だけにとどまらず、お店の雰囲気の写真を毎日載せるのも無料、働いている従業員の動画を発信するのも全て無料でできます。

情報が拡散される

そして最後に、SNSの1番大きなメリットは、情報が不特定多数の人に発信される可能性があるということです。

いまや全国でSNSを利用している人の割合は80%を超えているともいわれ、24時間いつでもどこでも情報を発信・受信することができます。

そこで、面白い投稿や印象に残る投稿を発信してバズると、思いもよらないほどの人に自分のお店を知ってもらうチャンスが訪れます。なかなかバズることはないと思いますが、工夫したSNS発信を続けて、お店を認知している人の輪をどんどん広げていくことも可能です。

まとめ

以上がSNS求人を使うときの主なメリット4つです。

SNSは誰でも気軽に情報を発信・受信できるツールだからこそ、求人広告などのより多くの人に見てもらいたい情報を企業が発信するのには都合がいいのです。

始める際の注意点・デメリット4つ

しかし実際、SNSを運用して求人募集をすることは思っているほど簡単なことではなく、始める前に注意しておくことはいくつかあります。以下がデメリットの4つです。

フォロワーが一定数必要

まず、自社のアカウントをフォローしてくれる人を集めないといけません。

はじめにアカウントを作った時には、誰でもフォロー・フォロワーの数は0からのスタートです。そこで、お店に来てくれた人や地元に住んでいる人にアカウントの存在を広めて、地道にフォローをしてもらう作業が必要です。

企業としての影響力を求める場合には100人以上を集めた方が良いでしょう。

成果が出るまで時間・手間がかかる

1つ目でわかる通り、SNSを運用するには時間と手間がある程度かかります。

時間をかけて自社のアカウントをフォローしてくれる人を集めても、その人たちが求めている内容の投稿をしなければフォローを外されてしまうことがあります。

そのために、ある程度の時間と手間をかけて投稿の工夫をし続けることが必要です。

悪い評判も拡散される

SNS利用者の数は本当に多いので、お店にとって良い発信が広まればよいのですが、悪いことが書かれた内容が発信されても同様に広まってしまう可能性があります。

例えば、「このお店の料理はまずかったからみんな来ない方がいいよ」などという誰かの投稿が飲食店の名前とともに発信されていたら、その投稿を見て初めてお店のことを知った人は、少なからずお店の料理に対して良くない先入観を持つでしょう。

誰でも自由に自分の感想や考えが発信できるSNSだからこそ、お客さんの1投稿で悪い評判を呼ばないようなお店作りをする必要があります。

コンプライアンス違反

なかなか普段常識的な内容をSNSで投稿をしていてコンプライアンス違反になることはありませんが、差別的であったり世間の反感を買ったりする投稿を無意識にあげてしまう可能性も無いとは言えません。

また、飲食店や美容院などのサービス業で、「有名人の○○が来た」という個人情報等を勝手にSNSで発信することで、お店の信頼は失われていきます。

ネット上で一回あげたものはなかなか取り消せないので、SNSで情報発信をする際には、自社のイメージが下がるようなことを書いていないかをチェックすることは大切です。

まとめ

いくらSNSは拡散力が高いからといって、1回投稿したとたんに続々と応募がくることなんてないですし、忙しい中で毎回投稿するのは難しいと感じるお店も少なくないと思います。

思った以上にSNSを運用するためには根気が必要なので、上記で説明したSNSを運用していくときのデメリット・注意点を踏まえた上で、自社でSNS求人を利用するかどうかを検討してみてください。

SNSで求人募集をする4つの手順

では、今までにあげたSNS求人のメリットとデメリットを理解したうえで、実際にSNSを使って求人募集を始めてみましょう。

流れは全部で4つだけで、1からわかりやすく手順を説明していきます。

①ターゲットからSNSを決定

はじめに言うと、求人を目的とするおすすめのSNSはInstagram、Twitter、Facebook、Linkedinの4つです。

まず、すべてのSNSはどれも使っているユーザー層が微妙に違っているので、アタックしたい「ターゲット」を先に決めたうえで、自社で利用するSNSを選んでいきましょう。

また、それぞれの機能も少し違うので、特徴も把握しておきましょう。

 

Instagram

ユーザー数  3,300万人

利用者層 10代~20代の男女が比較的多い。近年、すべての年代の人が利用している。

特徴   雑誌のような写真のビジュアル重視。ブランディングができる。#からの流入が魅力。

 

Twitter

ユーザー数 4,500万人

利用者層 10~30代の男女が利用。平均年齢は35歳。

特徴   主に140字以内の文字で情報発信。匿名性が高い。リアルタイム性と情報拡散力が魅力。

 

Facebook

ユーザー数 2,600万人

利用者層 20代~40代の男女が利用。近年、若年層は離れつつある。

特徴   実名性が高く、リアルなつながりを持ちやすい。ビジネスシーンで活用できる。

 

Linkedin

ユーザー数 200万人

利用者層  30~40代の男性が多い。

特徴    主にビジネスシーンでの活用できる。求人やキャリアについての発信ができる。

求職者と効率よくつながることができるのが魅力。

 

また、そのほかにも「Tiktok」のSNSを使って従業員が面白い動画をアップすると、従業員のファンができやすくお店の知名度も上がる可能性も出てきます。

②運用ルールを決める

次に、あらかじめ運用ルールを決めておきます。

理由としては、SNS運用は同じことをすればいいだけなので、はじめにルールを決めてそれに沿うことで最小限のコストで効率的に運用できるようになるからです。そのためにも最低でも下の4つは意識しておくようにしましょう。

Ⅰ テーマを統一

まず、テーマを統一することです。お客さんが何のためにその会社のアカウントをフォローするかというと、そのお店に関する有益な情報を得るためです。

例えば、ある会社のTwitterのアカウントをフォローしたときに「お腹すいたー」「おはよう」などの投稿が多めだとどうでしょう。これだとわざわざそのアカウントをフォローする意味がありませんよね。「〇月〇日に〇〇のイベントをやります」など、会社に関する情報を発信していきましょう。

そして、Instagramのような写真の統一感重視のSNSでは、おしゃれな会社・お店内の写真やこだわりの商品・食材などの写真を投稿すると、お店のブランディングもでき、フォロワーが増えていきます。

見た人がフォローしたくなるような有益なコンテンツを中心に発信していきましょう。

 

Ⅱ 1日1回は投稿

SNSでは、もちろん質もですが量も大切です。

全く更新をしていないアカウントは情報が古くなっているので、お客さんはそのアカウントをフォローする必要性は低いと感じる可能性があります。

2,3日に1回でもよいのですが、できたら1日1回は発信するとよいでしょう。

 

Ⅲ 時間を決めて投稿

Instagramなどは過去の投稿写真でブランド力を上げられるのに比べ、Twitterなどはリアルタイムに投稿が流れていくSNSとなります。

こういうSNSの場合、せっかくいい内容でも全然人から見られない時間帯に投稿してしまっては意味がありません。どんな投稿でも多くの人の目に触れる時間帯を狙った方が効率がいいので、把握しておきましょう。

下の画像はTwitterの「時間帯別利用率」ですが、利用者がSNSをよく使う時間とあまり使わない時間のパターンは決まっています。

 

[データ元: App Ape(国内数万台のAndroid端末を分析)/アクティブ数はApp Ape 推定による] [HAU (Hourly Active Users): 対象の時間帯における、時間別アクティブユーザー数で、1時間に一度でもそのアプリを起動したユーザーの数]

 

図の中の緑の枠は利用者が少ない時間帯で、赤い枠は利用者がアクティブに動いている時間帯です。

見てわかるとおり利用者がアクティブに動くのは、お昼休憩時のと、学校や会社から帰ってきたときの夕方です。

ですので、効率よくSNS投稿をするためには、12時と18時~22時の間にするようにしましょう。

 

Ⅳ 更新担当者を決める

SNSでは気軽に発信ができる反面、一回投稿したらなかなか取り消すことが出来ません。

コンプライアンス違反やよくない情報を発信しないために、あまりSNSのことを分かっていない初心者が発信するよりも、ある程度わかっている従業員が初めの頃は運用したほうが良いです。

あらかじめ更新担当者を決めておくようにしましょう。

 

③実際に運用をしてみる

では、上記の点を気を付けたうえで実際に投稿を始めてみましょう。

 

④反応をみて改善していく

どのSNSも、ユーザーが投稿を見た回数である「インプレッション」とユーザーが投稿に反応した回数である「エンゲージメント」を見ることができます。

もちろんインプレッションもそうですが、エンゲージメントが多いほうが重要です。毎回発信していくうちに、どの投稿にユーザーの反応が多く集まったかを分析していき、より求められている投稿をするように改善していきましょう。

他社のSNS運用・求人募集例

上で実際の運用方法を述べましたが言葉だけではよくわからない部分もあると思うので、実際に今回はSNSを積極的に活用している企業のアカウントを見てみましょう。

①Instagramの例だとこのような感じです。

株式会社オリジナルプラン

株式会社オリジナルプランは、人が行うべき仕事とテクノロジーが行うべき仕事を分担して新しい求人募集のコンサルを行う、求人広告代理店です。

Instagramでは企業の社員やインターン生との活動についての投稿がほとんどで、仕事だけでなく旅行や食事会など、働く人たちの仲が良い様子の投稿が多いです。

投稿の中にインターン募集中であるということもさりげなく書いてあるので気軽に応募をしやすく、興味を持ってくれた人がすぐに自社サイトに行けるように、プロフィール欄には自社サイトのURLも貼ってあります。

 

②次にTwitterの例だとこのような感じです。

株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントは、インターネット広告事業、メディア事業、ゲーム事業などを行っている企業です。

このTwitterアカウントでは、新卒に向けての有益な情報を流したり、自社のイベント情報とそのリンクを流したりして、就活生の集客を主に行っています。また、自社の人事担当の方々の発言をリツイートをして、「この企業ではどういう理念を持った人たちが働いているのか」を、就活生に知ってもらう機会にもなっています。

やはり、こちらの会社もプロフィール欄に自社サイトのURLが貼り付けられています。

 

#(ハッシュタグ)はかなり便利で、「# 採用」などのワードを投稿の中に入れると求職者に見つけてもらいやすいのはもちろん、他の会社がSNSを使ってどういった採用方法をしているかを、#を利用して検索してみると参考になるかもしれません。

SNS求人は中小企業にとって特に効果的

SNS求人は、SNSの「拡散力」を主に狙って使用します。もちろん大手企業がSNSを活用すると、多くの人により深く会社のイメージを与えられるというメリットがあります。

しかし、もうすでに認知度が高い大手企業よりも、名が通っていない中小企業がSNSを使うことで得られるメリットは大きいです。

まず、あまり名が知られていない中小企業でも、面白い投稿をして拡散された場合、不特定多数の人に自分の会社を知ってもらえる可能性が広がります。

また、大手企業では会社の制限がかかってできない投稿でも、中小企業だとインパクトの残せる投稿を柔軟に発信できる場合があります。

オススメは他の求人広告との併用!

求人募集をSNSだけに頼ることは、成果が出るまである程度の期間を要するのであまりおすすめはしません。

一番良いのは、バイトルなどの求人メディアやIndeedなどの検索エンジンを利用しつつサブのような役割でSNSを利用することです。

特にアルバイト採用では即戦力が求められることが多いので、短期的な目線では求人メディア、長期的な目線ではSNSを利用して採用を行うと良いでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。SNS求人のメリット・デメリットについて述べ、実際に運用をする手順や他社の例などを見てきました。

多少コストはかかりますが、SNSはせっかくタダで使える便利なツールであり、投稿が蓄積されていけばお店のブランド力を上げることも可能です。

たしかにSNSを運用するための時間と手間はある程度必要なのですが、続けていけばメリットの方が大きくなるはずなので、少しでも余裕があるのならぜひ始めてみることをお勧めします。

 

引用

https://lab.appa.pe/2020-04/202002-twitter-better-post-timing.html App Ape Lab.「【2020年最新版】ツイッター投稿、拡散を狙えるベストな投稿時間帯は?」